学習のページ

血液

解説

血液には大きく分けて3種類の血液細胞が存在します。赤血球、白血球、血小板です。それぞれの 顕微鏡写真とイラストをよく見て観察して下さい。

イラスト

赤血球

ヘモグロビンという赤い色素をもった血液細胞です。ドーナツのような形に見えます が、これは中央が薄くつぶれた円盤のような形をしているためです。血液1マイクロ リットル(1辺が1mmの立方体)の中に500万個もありますから、血球のほとんどは この赤血球です。細胞ですが、核はありません。骨の内部の骨髄という場所で 作られますが、血液中に出てくるときに核は失われてしまうのです。

単球

白血球には、顆粒球、リンパ球、単球の3種類があって働きもそれぞれ違います。 体を病原体から守ってくれる免疫の働きに関係しています。顆粒球は顆粒の色に よって好中球、好酸球、好塩基球に分けられます。

大リンパ球

リンパ球

血小板

小さな細胞ですが、出血を起こした時にまず止血に働く血小板血栓をつくる大切 な働きがあります。その後、血漿の中のたんぱく質によって血液凝固が起こり、 丈夫なフィブリン血栓ができます。

血小板 不良

赤血球不良品

好中球

好酸球

好塩基球

動脈血と静脈血

普通は採血は静脈から行います。静脈から採血した血液は赤色とは言っても黒っぽい暗赤色を しています(左側)。そこに酸素を入れて良く振り混ぜるとどうなるでしょう?右側の様に明るい 赤色に色がわかります。これは赤血球の中に含まれるヘモグロビンという赤い色素に、酸素が ついたために色が変わったのです。このように、赤血球はヘモグロビンに酸素をくっつけたり、離し たりしながら、肺で酸素を受け取り、全身に酸素を渡しています。

血液塗抹標本 100

血液塗抹標本 400neutro

血液塗抹標本 1000eo

血液塗抹標本 1000lym2

血液塗抹標本 1000lym7

血液塗抹標本 1000無染色

血液塗抹標本 1000neutro3

血液塗抹標本 1000plt

動画

血液は赤い液体でしょうか?

血液は、赤い液体ではありません。黄色い液体(血清・血漿)に血球(血液細胞)が混ざっています。 血液をそのまま放置しておいても下の方に重い血球がたまってきますが、それがわかりやすいように 遠心分離機を使って高い重力をかけて、血清と血球を分離してみましょう。

注)血清と血漿のちがい:
採血の際に抗凝固薬(血液が固まらなくする薬)を採血管に入れて おくと、血液凝固が起こらず、遠心分離した上清の黄色い液体部分は血漿と呼ばれます。この場合は、転倒混和すればまた元の状態の 赤い血液に戻ります。 しかし普通に採血した血液は15分程で血液凝固を起こします。この後、遠心分離した上清には血液凝固に必要なフィブリンなどのたん ぱく質が失われていますので、血清と呼びます。

顕微鏡の使い方

ナレーションを参考に顕微鏡で血球を観察する方法を動画の中で体験してみましょう。 赤血球はヘモグロビンという赤い色素を含んでいるため、そのまま血液を薄く伸ばしただけの 塗抹標本(とまつひょうほん)でも観察できますが、白血球などは透明で観察できません。 そのためギムザ染色といった方法で核を青紫色、細胞質を薄紫色に染色して観察しています。

溶血とはどのような現象でしょうか?

血液に水(蒸留水)をいれると何が起こるでしょう?赤血球の細胞膜を通じて、水が赤血球の中に 流れ込み、赤血球が破裂してしまいます。これを溶血(ようけつ)と言います。溶血を起こした 血液では、赤血球という細胞が混じっているのではなく、ヘモグロビンという小さなたんぱく質が 溶けている状態になりますので、透明な赤色となります。

指導の解説

PDFにてダウンロードができます。

お問い合わせ

ご質問、お問い合わせは下記よりお送りください。
ご利用になった感想などもお送りいただければ幸いです。

PageTop